商品特性や商品のコンセプトは、メディアプランを検討する際にも十分に検討する必要があります。広告対象商品の主な用途やメリットを分析することにより、広告ターゲットの絞り込みが可能となり、メディアの選択も容易になるからです。たとえば、同じ飲料製品でも、「お茶」と「スポーツドリンク」では、商品特性からみて明らかにターゲットに違いがあります。ターゲットが異なれば、訴求すべきポイントも異なります。
広告ターゲットの絞り込みを総合的な観点から行うことが、媒体ビークルの評価、選択に極めて重要です。それは、広告ターゲットが明らかにされてはじめて、目的にあった効率的なメディアの種類とそれに対応した広告環境が選び出せるからです。一口に「ターゲット」と言っても、そこには様々な捉え方があります。ブランドにとって、きちんとした「ターゲット」を把握するためには下図のようなステップが必要です。
まず、実際に商品を使っている人たちはどんな人たちなのか、「カテゴリー・ユーザー」の把握を行います。商品を使っている人たちの性別・年齢別・職業別などのデモグラフィック(人口学的)な特徴を分析します。また、商品を使っている人たちに、購入頻度に差があるかどうか、つまり、ヘビーユーザーやライトユーザーのような違いがあるかどうかを分析します。そして、ライフスタイルや意識などのサイコグラフィック(心理学的)な特徴があるか分析します。
カテゴリー・ユーザーの特徴がわかったら、次に使用しているブランドによる違いがないかどうか調べます。例えば、「ThinkPad」と「Mac」を使っているユーザーには、デモグラフィックな違いがあるか、サイコグラフィックな違いがあるかなどを調べます。この過程を経て、担当するブランドが狙うべき「ターゲット」が見えてきます。「ターゲット」は、現在自分のブランドを使っているユーザーと、新規にユーザーとなってくれそうな人たちです。この人たちに、何かメディア接触上の特徴があれば、ターゲットが決まった段階で、使用すべきメディアも決まってきます。
・デモグラフィックス(人口学的特徴)
デモグラフィックス分析により、ユーザー、購入者、影響者の統計分析が可能となり、各階層の営業上の重要度が明らかにされます。統計データの項目としては、年齢、性別、職業、世帯収入階層、など多数のものがあります。これらの統計データとビークルのターゲットのデモグラフィックスに基づく構成と効率の突き合わせが行われるのです。
・サイコグラフィックス(心理学的特徴)
広告ターゲットの行動プロフィールについては、広告ターゲットの必要物、ニーズ、態度、ライフスタイルに注目し、それらを媒体ビークルのターゲットのプロフィールと比較し、広告環境の絞り込みを行います。