「世帯」から「個人」へ。テレビ取引指標が変わるとき、プランニングはどう変わるのか。ーなぜ取引指標が変更されるのかー


  • なぜこのタイミングに取引指標が変更されるのか

2018年4月から関東地区のテレビスポット取引の指標が変わりました。おさらいになりますが、変わったポイントは以下の2つです。

  • これまで取引使われてきた「世帯」視聴率が「個人(ALL)」視聴率に変わること
  • これまでのリアルタイム視聴率に放送後7日間以内のCM再生視聴率(タイムシフト)が加わること

ではなぜこのタイミングで取引指標が変更されたのでしょうか。

②のCM再生視聴率が加わる点については、海外の取引実態を参考に、価値化されるべきものを正しく計測し、価値に見合う値段をつけることがようやく日本で実現した、と考えることができます。タイムシフト視聴がきちんと計測され視聴率に組み込まれることは、海外では以前から行われてきたことです。その意味では、ようやく日本でも視聴の実態に取引が追いついてきたと言えるでしょう。

①の「世帯」から「個人」に取引指標が変わる点については、変更の本当の意義を考えると、マーケティング全体が、マスマーケティングからCRM(ここではCustomer Relationship Marketingの意味)への転換を求めているからだと言えるでしょう。

ではなぜマスマーケティングからCRMへの転換が求められているのでしょうか。その背景は、いうまでもなく日本の超高齢化です。2001年から2016年までの15年間で、65歳以上の人口は1.5倍になり、M1/F1は27%も人口が減少しているのです。現在のテレビ視聴者の半分近くが50歳以上であり、「世帯」視聴率は、テレビ視聴の実態をうまく反映できていないといえるでしょう。「%」の数字は、その「%」を割り出す集団構成が大きく変化しているため、「%」の数字だけでなく、「実数そのもの」や「実数に換算できる%」を見ていく必要が出てくるでしょう。

「%」だけでなく「実数」を指標に据える動きは、企業側ではすでに行われています。例えば広告効果の指標として、これまで使ってきた広告認知率やブランド認知率などの「%」データだけでなく、自社サイトのアクセス数やSNSのいいね!数など「実数」データを指標にすることが増えてきました。テレビメディアでONEtoONEマーケティングを実施することはできませんが、「世帯」から「個人」、そして「%」から「実数」に評価指標を変えていくことで、顔の見えない「世帯」ではなく、様々なデータを使ってより見込み顧客となりそうなクラスターやユーザー層を見つけていくことができるようになるでしょう。

こうした取引指標の変化やマーケティング活動の変化にともない、メディアプランニングにどのような影響を及ぼすのでしょうか。1つ1つ見ていくと、大小さまざまな影響を及ぼすことが想定できます。実際にどのような影響が出てくるか、具体的に直面しそうなポイントを次回の更新で見ていくことにします。

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