有効頻度と有効リーチ


広告を何度見せれば効果が現れるか?

何回広告に接触させれば、有効なのか?

これは、誰もが答えを知りたいことです。しかし、確実な答えは決してわからないのです。このテーマに関しては、過去に、いくつかの研究が成されており、大きく二つの流れに大別されます。二つの考え方はともに、広告の効果を商品の購買という観点から論じています。

第1の考え方は、「3回以上の接触が必要」だとします。この考えによれば、1回、2回の露出は効果を持たないと言うことになります。また、多すぎる接触、例えば10回以上の接触などは返って嫌悪感を生むなどの障害もあるとされています。

第2の考え方は、1回の接触(リーチ)で十分だとする。この考えでは、購入の直前(1週間)の間の1回の接触が、セールスに対して十分な効果を持つと主張します。そのため、継続的な出稿により、毎週リーチをきちんと確保する必要があるとします。

どちらの考え方にしても、無駄な投資、少なくて効果を生まない投資や、多すぎて意味を成さない投資などの損失をなくしたいという背景があるわけです。しかしながら、シングルソースデータがあり、接触と購買の関係がはっきりとわかるようにならない限り、実際に何回の接触が有効であるのかを決定することは非常に難しいと言わざるを得ません。

以下に広告出稿頻度を決めるにあたって考慮すべき項目を列記してみました。個々のブランドの状況に応じて考慮すべき要因も変わってくることに注意してください。

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毎週のセールスデータと毎週の頻度分布データがそろっていれば、重回帰分析を行うことで、ある程度のモデルを作ることはできるかもしれません。しかし、セールスにはそのほかの様々な要因が影響を与えますので、接触頻度だけで分析を行うことは危険でしょう。

また、広告認知率を有効頻度の基準にすることも問題があります。確かに、どちらの指標もモデル的には同じカーブを描きます。GRPに対しの広告認知率のカーブと、3+リーチのカーブが重なるからと言っても「3回接触すると必ず広告認知が得られる」訳ではないからです。広告認知率は、「学習」と期間の経過による「忘却」の概念が含まれます。一方、頻度には「学習」も「忘却」もありません。単に接触の状態を表しているだけです。

それよりも、頻度の設定のためには「スケジューリング」を重視した考え方を取り入れるべきです。

メディア予算として、投資できる資金には限りがあります。R&Fのレベルについて検討を行うことは、投下量と投下スケジュールを検討することと同義です。?スケジュールを考えることとR&Fは密接な関係にあります。TV媒体においては、頻度分布を任意にコントロールすることが難しく、フリークエンシーを増大させると、リーチも同時に増大してしまいます。有効的なR&Fレベルを考えることは、投下量を規定することと等しいのです。

フリークエンシーレベルを高める、または3+リーチを増大させるためには、投下量を増やす以外に方法がなく(予算が限定されている中では)、投下期間を犠牲にする必要が出てきます。つまり、投下期間とR&Fの間には、トレードオフの関係(あちらたてれば、こちらがたたず)が生じるのです。

投下期間の継続性とR&Fのどちらを主目的とするかは、商品の特性によって異なりますが、一般には、トップブランドや既存商品の場合は継続型のスケジューリングを基本とすることが望ましく、新商品の場合は、認知率を早期に獲得する必要から、フライト型の出稿をするが、後には継続型に移行するべきであるとされています。もし、それが不可能であるならばパルス型の出稿をすることが考えられます。

スケジューリングとR&Fのどちらかを先に決めておかねばなりませんが、優先度から言えば、スケジューリングを優先すべきです。先にR&Fを決めてしまうと、本来広告によるサポートを行わねばならない時期を必要なR&Fレベルを確保できないと言う理由で、サポートを行わないと言う本末転倒なことになってしまうからです。R&Fはあくまでも、広告サポートを行うべき期間にどのくらいの量を投下すべきかを決めるためのもので、それによって投下スケジュールが左右されるべき性質のものではありません。

もし、広告サポートを行う期間に必要なR&Fレベルを維持できないとすれば、広告予算が少ないのです。その場合には、マーケティング戦略も含め、根本から見直さなくてはなりません。

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