2.予算設定・予算配分を確認する


広告主企業は独自の予算設定基準に基づいてメディアの予算を設定する場合と、広告会社に適正な予算枠の設定を求めてくる場合があります。

メディア予算の規模は、媒体ビークルの選定から広告宣伝の実施にいたるまでメディアプランのほとんど全項目を決定してしまいます。ですから、メディア予算が広告主企業の指示でも、プランニング担当者は、予算規模と広告主企業のニーズを比較検討して、マーケティング目標を達成するために必要となるメディア予算の適正な規模を広告主企業にアドバイスすることが必要です。目標に比べ、明らかに予算が少ないと思われるときは、予算の修正も含めて提案すべきでしょう。

メディア予算枠を正しく設定するための絶対確実な方程式や方法などはありませんが、メディアプランニングに必要な要素を慎重に検討してみれば、妥当なレベルの金額を提案することは困難ではありません。メディア予算の設定方法を分類すると、次のようになります。

予算設定

購買行動から設定する方法は、販売量と投下量の間に関係がある、または目標とする認知率と投下量の間に関係があるなど、過去の実績の分析が豊富にある場合に使われます。外資系のトイレタリーメーカーなどで頻繁に用いられる方法です。長い期間にわたって、綿密にデータを集めて、分析するという企業体質がないとできません。

最も一般的な方法は、売上高、利益に対する広告宣伝費の比率の実績値を、売上げ目標値にかけるというものがあります。メディアに支出する費用が増えれば、広告によるインパクトも拡大し、製品購買力の増大がもたらされ、売上高、利益に対する広告宣伝費の比率が従来の値に均衡してくるというのが、この方法の基本的発想です。そのほか、競合他社の広告宣伝投資額の状況に合わせるなどの方法もあります。

★媒体選択★

使用する媒体とヴィークルを決めます。媒体選択は今まで検討してきた項目を総合して決定します。主に以下のような要素で判断します。

ターゲットの媒体接触行動 (NHK国民生活時間調査などを参考に)
各媒体のコスト効率
各媒体のリーチ限界
各媒体の接触頻度分布
各媒体の表現特性
各媒体への接触態度(一般的な媒体特性などを参考に)
各媒体のイメージ
各媒体の地域特性

ただし、上記の要素は、実際に使用するヴィークルレベルで検討しておく必要があります。
よく、4媒体の配分比率を簡単に決める方法はありませんか?という質問を受けます。これについては、メディア予算を簡単に決める方程式がないのと同じように、「ボタン一つ」で決める方法はありません。なぜならば、各媒体の予算をトップダウンで決めてしまえば、それぞれの媒体で展開できることはあらかた決まってしまいます。

本来、メディアプランは、各媒体で「やらなければならないこと」を踏まえて、プランを作成し、それを積み上げた結果として、総予算及び各媒体への配分が「結果として」決まるべきなのです。もし、その予算が当初予定していた予算よりも多いものであれば、次頁の目標投下量で述べるように、戦略を練り直す必要があります。

あらかじめ決められた予算の範囲内で考えを巡らせるだけでなく、理想的なプランを考えておいて、なるべくそれに近づくような解決策を見いだす必要があるでしょう。

★目標投下量★

媒体目標を達成するのに必要な各媒体の投下量を規定します。投下量の指標としては、GRP・R/F・有効リーチなどの数値で示す場合もありますが、媒体目標の規定で見たように、明確に決められない場合もあります。

例えば、マーケティング目標が市場シェア10%の確保であったとすると、過去のケーススタディやデータから、商品認知率80%が必要だとわかったとします。ここまで、基準がはっきりしていれば、商品認知率80%を獲得するために必要な投下量がどのくらいか、シミュレーションモデルを使用して計算したり、CMカルテなどのデータを見てみることで、ある程度の目安を付けることができます。

しかし現実的には、このようなかたちで明確に媒体目標が定義される場合は少なく、多くの場合は、対売上見込みで設定された予算をいかに効果的に運用するか、という議論になると思います。

ただし、以下の項目についての評価はしなければなりません。

(設定された)媒体目標を達成する予算・広告量であるか?

媒体上の競合環境の中で機能する予算・広告量であるか?

(媒体選択後)個々の媒体環境の中で機能する予算・広告量であるか?

予算・投下量が十分でないと判断された場合、以下を検討する必要があります。

媒体目標の修正

媒体ターゲットの限定

使用媒体の限定

広告地域の限定

広告期間の限定

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